マインドセットの意味をわかりやすく解説

マインドセット

よく「努力は天才に勝る」といいます。しかし、結論としては基本的には無理です。ですが、勝つ方法がひとつだけあります。それは、成長マインドセットを持つことです。
この記事の内容は、主に以下のとおりです。
・マインドセットとは?
・マインドセットは2種類
・小さな積み重ねが大きな差に

マインドセットとは?

マインドセットとは、

  • 生まれながらに持つ性格
  • 受けてきた教育
  • 経験
  • 先入観
  • 時代背景などからつくられた物の見方
  • 価値観
  • 判断基準
  • 信念
  • 思い込みといったパラダイム

などから作られる思考パターン、固定化された考え方のことです。
簡単にいうと「無意識の思考のクセ・思い込み」です。

経験
個人の人生経験はマインドセットに反映されます。成功体験があれば当然、同じジャンルの行動をとるときにためらいがなくなるでしょう。一方、失敗体験のあるジャンルには躊躇を覚えるのが普通です。ただし、かつて失敗したジャンルで新たな成功を覚えれば、マインドセットを変化させられます。

先入観
人からの伝聞、メディアからのイメージなどによる先入観も構成要素のひとつです。時には「あの地方出身者は怖い」などの強い思い込みになっていることも珍しくありません。こうしたマインドセットは修正するのが難しくなることもありえます。

価値観・信念
親や教師など影響力の強い人間から植え付けられた価値観はマインドセットに大きく作用します。

例えば、現在、大リーグで活躍する日本人選手は多くいますが、一昔前にはそのような選手はほとんどいませんでした。この状況を、スポーツコメンテーターの為末大氏は「1995年に大リーグにチャレンジした野茂選手の事例を見て、他の選手が『それは可能なことなのだ』とマインドセットが変わったのだろう」と表現しています。別格の存在としてとらえていたメジャーリーグで、自分と同じ日本人選手が活躍しているという事実が、多くの選手の意識(マインドセット)を変えたという事例です。

マインドセットは「成長型」と「固定型」の2種類ある

マインドセットの提唱者の一人であるスタンフォード大学キャロル・S・ドゥエック教授の研究結果によると、マインドセットは「成長型」と「固定型」の2種類に大別されます。

成長マインドセット(グロースマインドセット)は「自分の能力は努力次第で成長させることができる」という考え方であり、固定マインドセット(フィックストマインドセット)とは「能力はもともと決められており変わらない」という考え方です。ビジネスにおいては、成長マインドセットが望ましいことは言うまでもありません。

ただし、多くの人は成長マインドセットと固定マインドセットの両方を持っています。状況によってマインドセットが変わることもあれば、自分の意志でマインドセットを変えることも可能です。

人間の脳は変えられる

人間の脳はどんどん変わっていけるしなやかさを持っていて、トレーニングにより変わっていけます。

昔は、人間の脳は生まれた瞬間が脳細胞が一番多くてそこから歳をとるにつれて減っていくといわれていました。これは間違っていて、使えば使うほど特定の領域が増えたりします。脳はそんなしなやかさを持っているというニューロプラスティシティ(=神経可塑性)という性質が確認されています。

例えば、タクシーの運転手たちを調べた実験があります。タクシードライバー歴が長く当然年齢も高い人ほど脳の空間認識をする部位が大きくなっていたということがわかっています。

そのように人間の脳にはまだまだ可能性が隠れていて考え方次第で僕たちはいくらでも成長できるということです。

子育てにも重要

であれば、できるだけ早い段階から人間はいくらでも変わっていくことができるし能力も高めることができて人生は自分で選んでいくことができるものだという感覚を身につけることが大事です。
これは、ご自身にはもちろんですがお子さんのおられる方には子供に対しても特におすすめです。

子供を育てることで親が子供にしてあげられることは好奇心を養ってあげることとこの成長マインドセットを身につけさせてあげることのほかは環境を整えることぐらいと言えます。

学習効率を高めるためにもしなやかなマインドセット、つまりは成長マインドセットを持つことが大事だということも様々な研究でいわれています。

2018年のスタンフォード大学が行なった研究を参照してみますと、50分程度のマインドセットとは変えることができて自分で人生は変えていけるということを説明する動画を見せて見てもらうというマインドセット介入(考え方を認識してもらう)をするだけで実際にマインドセットが変わったという研究結果が出ています。
マインドセットとは意外と短時間でも変えることができるということです。
この研究では、14〜15歳の12,542名の学生を集めて全体をふたつのグループに分けました。
それぞれのグループにはそれぞれ、

  • マインドセットを解説する25分の動画を20日間程度の間隔をあけて2回(同じ内容)見せる
  • 脳の構造について解説した25分の動画を20日間程度の間隔をあけて2回(同じ内容)見せる

ということをしました。
その結果、マインドセットについての動画を見たグループはもう一方のグループに対して平均で0.03ポイント成績が上がり、さらにマインドセットを意図的に変えて自分は成長マインドセットに変わるんだと意識して頑張った人たちは0.08ポイントも成績が上がりました。つまり、普通にただマインドセット解説動画を見た人たちよりも3倍近く成績がよくなったわけです。かつ、マインドセットの解説動画を見たグループは赤点をとる確率が3%も低くなっていました。
数値としてあまり変わっていないように感じる人もいると思いますが、たった50分程度の動画を見るという介入で、しかも実験には20日程度しか要していないことを考えると、これを継続していくことによるその差は大きなものになると考えられます。

小さな差の積み重ねが大きな差に

人生においては、若いうちは差がなくても積み重ねてきたものが後半になると大きな差になるものです。そこにはこの成長マインドセットを持っているかどうかが関わってくるということです。

例えば、自分はこれで生きていくしかないと考えてしまうと硬直マインドセットになってしまい成長はありません。
ところが、僕は今やっていること全部やめたら次は何をしようかといつも考えています。僕自身の一番得意なのは諦めることで、今やっていることをいつやめてもいいと考えることで次にやることを常に考えられるようになり成長マインドセットで成果を上げていくことができるわけです。

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